アフラック新EVER 曖昧約款記述で1000億円前後と推算される不当利益疑惑
 

 一般には理解困難な医療保険のからくりを説明するためイメージしやすい架空話を用いて説明させていただきます。
 医療保険のからくりと対比させるため以下のような架空の話で説明させていただきます。
 
 毎月定額料金を支払うことにより乗り物を自由に乗れる制度があり、複数の民間会社がこの制度を運営しています。 
政策的見地から一部の乗り物を契約者が利用した場合、契約者に利用奨励金として還付する制度があります。 月々契約者が運営会社に支払う乗り放題乗車料金や還付額は制度運用会社により様々です。
 
 
医科診療報酬点数表 抜粋
診療報酬
第1章基本診療料
                     <省略> 
第2章特掲診療料
 第1部医学管理等
                     <省略> 
 第9部処置
  第10部手術
   第1節手術料
    第1款皮膚・皮下組織
      K002  デブリードマン
                     <省略> 
    第2款筋骨格系・四肢・体幹
                     <省略>
    第7款 胸部
     (乳腺)
                     <省略>
       K476(6) 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施するもの  42350
                     <省略>
     (胸腔、胸膜)
       K488 試験開胸術 10800
                     <省略>
        K496-2 胸腔鏡下醸膿胸膜又は胸膜胼胝切除術 51850
                     <省略>
     (気管支、肺)
                     <省略>
          K513(1) 胸腔鏡下肺切除 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 39830
                     <省略>
        K513-2 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手 58950
                     <省略>
       K514  肺悪性腫瘍手術
          K514(1) 部分切除 60350
          K514(2) 区域切除 69250
          K514(3) 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 72640
        K514-2  胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術
          K514-2(1) 部分切除 60170
          K514-2(2) 区域切除 72640
          K514-2(3) 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 92000
                     <省略>
    第9款 腹部
                 <省略>
操縦報酬点数表(架空)
操縦報酬
第1章 固定報酬
                     <省略> 
第2章操縦報酬
 第1部クレーン
                     <省略> 
 第9部交通機関
  第10部陸上交通
   第1節道路を走行する車両
    第1款 軽車両
      K002 自転車
                     <省略> 
    第2款 ベビーカー
                     <省略>
    第7款 駆動装置を有する車両
     (貨物車)
                     <省略>
       K476(6) 駆動輪数16以上の車両  42350
                     <省略>
     (乗用車)
       K488 内燃機関で走る前輪駆動車 10800
                     <省略>
        K496-2 電動モーターを駆動源とする乗用車 51850
                     <省略>
     (バス)
                     <省略>
          K513(1) 蓄電池搭載の電動モーター駆動の自家用バス 39830
                     <省略>
        K513-2 燃料電池搭載の電動モーター駆動の自家用バス 58950
                     <省略>
       K514  商用バス
          K514(1)   小型 定員11〜28名 60350
          K514(2)   中型 定員29〜49名 69250
          K514(3)   大型 定員50〜 72640
        K514-2  電動モーター駆動の商用バス
          K514-2(1) 小型 定員11〜28名 60170
          K514-2(2) 中型 定員29〜49名 72640
          K514-2(3) 大型 定員50〜 92000
                     <省略>
    第9款 商用牽引車
                     <省略>
 
アフラック新EVER約款第4条<給付金の支払> 某運営会社の月極め乗車賃清算制に関する約款第4条
(3) 手術給付金 (3) 還付金
(ア)手術
 別表30に定める公的医療保険制度(以下、「公的医療保険制度」といいます。)における別表53に定める医科診療報酬点数表(以下、「医科診療報酬点数表」といいます。)に手術料の算定対象として列挙されている診療行為。ただし下記「(イ)重大手術」に該当するものおよび第6条・・・・を除きます
 
   記述に従い実際に医科診療報酬点数表を眺めると、恐らく報酬表に記載されている頭文字が「K」のコードに該当する術式が手術に該当し、手術給付金対象になるのであろうと推測される。
(イ)重大手術以外の手術が入院日額の10倍が手術給付金として支払われるのであろうと読み取れる。
 
(ア) 操縦
 別表に定める公的操縦報酬制度における別表に定める操縦報酬点数表に、操縦の算定対象として列挙されている操縦行為の車両に乗車。ただし、下記(イ)割増操縦に該当するものを除きます。
 
 
(イ)重大手術
 公的医療保険制度における医科診療報酬点数表に、手術料の算定対象として列挙されている診療行為のうち、つぎに定めるもの。ただし腹腔鏡・胸腔鏡・穿頭は除きます。
 
   「列挙されている診療行為。ただし、・・・胸腔鏡・・を除きます。」 これは日本語としてあるいは論理的に誤りの表現だ。 前半で「診療行為」と「行為」を規程しているのに、後半で「胸腔鏡」と「物」を除外すると規定されており、解釈に困る。 読み手側が前後関係などから勝手に「胸腔鏡は除きます」の表現を拡大解釈してしまう。 右の架空話で「胸腔鏡は除きます」の表現は「電動モーターは除きます」に該当し、読み手は前後関係からここでいう「電動モーター」はバスを駆動させるための「電動モーター」なのだろうと勝手に解釈してしまう。 この表現は約款作成者と契約者が共通認識を得るための契約書としての約款としては曖昧な表現であり、不適切である。ただし、この文章に補足説明が同じ約款で述べられているならば許容できる。 
 医科診療報酬点数表を眺めると「胸腔鏡」を使う手術としてK496-2、K513-2、K514-2等悪性新生物と関連しない手術も多数定義されている。(a)別表27に定める悪性新生物に対する「開胸手術」との記述がある。 「開胸手術」の定義が医学界には存在しないため読み手側の勝手に思い描く「開胸手術」として解釈せざるを得ない。 それ故、ここの記述は曖昧なままである。
 
(イ)割増操縦
公的操縦報酬制度における別表に定める操縦報酬点数表に、操縦の算定対象として列挙されている操縦行為のうち、つぎに定めるもの。 ただし、電動モーター・ジェットエンジン・ロケットは除きます。
 
(a) 別表27に定める悪性新生物(以下、「悪性新生物」とよびます。)に対する開頭・開胸・開腹手術および四股切断術
 
(a)別表に定める特殊商用車両に対する操縦。
 アフラック新EVER約款第4条の記述では悪性新生物に対する腹腔鏡・胸腔鏡・穿頭を用いた手術は重大手術に該当するか否かは明確には規程できない。 設備の整った医療機関では「直視」と「鏡視」を併用する手術が一般的であることを思えば併用手術の場合は規定できない。 私が2011年に受けたK514-2胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術は重大手術と査定された。 架空話ではK514:商用バス、K514-2:電動モーター駆動のバスを想定している。 K514-2は当然ながらハイブリッド・バスも含む。 またPHVのように電動モーターだけで駆動する商用バスも含む。
上記架空約款の規程ではハイブリッド商用バスに乗車したとき割増還付金を貰えるかいなかは明確には判定できない。
 
アフラック新EVER約款第42条<その他> 某運営会社の月極め乗車賃清算制に関する約款第42条<その他>
この約款で使用している用語の意義は下記の通りです。
 
この約款で使用している用語の意義は下記の通りです。
 
わざわざ「意味」ではなくて「意義」という言葉を用いて表現されている。 私には「意味」ではなく「意義」を用いている理由が理解できない。
 
(1) 「治療を目的とする入院」とは、治療のための入院をいい・・・・
(6) 悪性新生物に対する開頭・開胸・開腹手術および四股切断術
 「悪性新生物に対する開頭・開胸・開腹手術および四股切断術」とは、悪性新生物を直接摘出することを目的とし、器具を用い一定の皮膚切開を伴う手術を意味します。
 
(6) 電動モーター駆動の商用バス
 「電動モーター駆動の商用バス」とは、電動モーターを回転させ、駆動軸を回転させ、商用バスを移動させる方式を意味します。
 
@ 開頭手術とは・・・
 
A 開胸手術とは、胸腔内または縦隔内を直視下に手術する場合で、胸腔鏡・縦隔鏡による場合や穿刺による場合は含みません。
 
A 商用バスの営業運行とは、内燃機関を移動動力源とした車両で有償乗客を移動させる場合で、電動モーターによる場合は含みません。
 
アフラック約款第42条(6)Aを図解すると下記のようになる。
 
   胸腔鏡も利用し、直視も行なういわゆるハイブリッド肺悪性腫瘍手術の場合、左図領域Cが重大手術に該当するかどうか不明なのだ。
 
 Aの文章も曖昧で文脈的に下記2通りの解釈が存在する。

(1) 開胸切開し胸腔内を直視したけれども胸腔鏡を用いたので開胸手術と査定されない。(領域Aは重大手術だが、領域CとBは重大手術ではない)

(2) 胸腔鏡を用いたけれども開胸切開し胸腔内を直視もしたので開胸手術と査定される。
(領域AとCは重大手術だが、領域Bは重大手術ではない。)
 
一方医科診療報酬点数表を主管する厚労省保険局医療課の定義によると下記のようになる。
 
 厚労省保険局医療課に問い合わせた結果、医療課は肺悪性腫瘍手術に関し、「K514-2は開胸手術」であるとの回答を得ている。
医学界では「開胸手術」とか「胸腔鏡下手術」の厳密な定義は存在しない。 ネット上では、
 
厚労省Web
「手術前平均在院日数・手術後平均在院日数」という資料ページには
(3)「開胸手術」とは、胸壁を切開し胸腔に達する方法により行われる外科手術をいう。

と述べられている。
医学書院
週刊医学界新聞第3005号
標準開胸手術の延長線上に胸腔鏡下手術はあるべきであり

のような見解もある。 
 
 保険会社は手術給付金の支払事由として独自に「開胸手術」とか「胸腔鏡下手術」を定義するのは異論はないが、定義者、契約者が同じ認識できる定義である必要がある。 定義が曖昧で解釈が異なる場合は作成者不利原則に則り契約者に有利なように解釈するのが原則であると消費者庁や法務省審議会等から示されている。
某運営会社の月極め乗車賃清算制に関する約款第42条(6)Aを図解すると下記のようになる