アフラック社の法令軽視や違反の実例や実態を公開するページ

アフラック社「もっと頼れる新EVER約款」の曖昧な定義

 2011年と2013年に私が受けた医科報酬点数表上K514-2胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術に焦点を絞り例示する。医科診療報酬点数表では手術の種類に応じてK505〜K519まで分類されている。
下の図は「もっと頼れる新EVER」の約款の定義を図解したものであり、一般に認知されているものではない。
主治医によると医学界では「開胸手術」とか「胸腔鏡下手術」の厳密な定義は存在しないとのことだ。
約款上独自で「開胸手術」とか「胸腔鏡下手術」を定義し手術給付金の支払い根拠とすることは許容できるが、その記述が契約者に著しく理解しづらいとか曖昧な定義は許されないと考える。
保険会社向けの総合的な監督指針 : 金融庁 平成25年8月(抜粋)U-3-11 適切な表示確保 違反の可能性が大であると思う。

開胸手術の定義の例

 
厚労省保険局医療課の見解 機密扱いになっており複製とか印刷は禁止されているため概要だけ述べる。

「開胸手術」定義に関する問い合わせ」に対し

K514 肺悪性腫瘍手術
K514-2 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術

ということだった。
厚労省Web
「手術前平均在院日数・手術後平均在院日数」という資料ページには
3)「開胸手術」とは、胸壁を切開し胸腔に達する方法により行われる外科手術をいう。

と述べられている。
医学書院
週刊医学界新聞第3005号
標準開胸手術の延長線上に胸腔鏡下手術はあるべきであり
アフラック社の2013年9月5日付けの回答によると、私の2011年の手術はアフラック社内では「開胸手術」ではないと査定されていたそうだ。私からの申し出によりアフラック社は医療機関に再度問い合わせを行い重大手術と査定したとの回答だった。 これはK514-2 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術と診断書に記述されていたならば異議申し立てがなければ重大手術とは査定されないということを意味する。重大な支払い不足の原因となる。
2011年国内では約4万件の肺がん手術が行われたそうだ。肺がん手術の場合、まずK514またはK514-2手術だ。比率は分からないが、K514-2と記された診断書の数は多いと思う。手術を受けた患者の何%が医療保険に加入しているかどうかはわからないが、まだ請求時効に達していない契約者の数、少ない給付額で請求時効が過ぎた契約者の数、胃がん、大腸がんなどの腹腔鏡下手術の数等を思うと、従来とは桁違いの不払い数になると予想される。
もっと頼れる新EVERの約款 もっと頼れる新EVERの約款の問題点
第4条<給付金の支払>
・・・・
(3)手術給付金
・・・・
支払事由
・・・・
Cつぎのいずれかの手術

(ア)手術
  別表30に定める公的医療保険制度(以下、「公的医療保険制度」といいます。)における別表53に定める医科報酬点数表(以下、「医科報酬点数表」といいます。)に、手術料の算定対象として列挙されている診療行為。ただし、下記「(イ)重大手術」に該当するものおよびおよび第6条に定める・・・・
(イ)重大手術
   公的医療保険制度における医科診療報酬点数表に、手術料の算定対象と列挙されている診療行為のうち、つぎに定めるもの。ただし腹腔鏡、胸腔鏡・穿頭は除きます。
(a) 別表27に定める悪性新生物(以下、「悪性新生物」といいます。)に対する開頭、開胸、開腹手術および四股切断術
(b) ・・・・
(c)
(d)
支払額・・・・
 医科報酬点数表を気管支・肺の手術に限定して図示したのが上の図だ。
肺悪性腫瘍手術はK514、K514-2の2つの手術だけが点数表に記述されている。約款第4条の「胸腔鏡は除きます。」の規定は意味不明瞭だが多分、一般に言われる胸腔鏡下手術のことだろうと一応解釈する。それでも私にはよく分からない。
 一方約款第4条C(イ)(a)には悪性新生物に対する開胸手術と記述されている。以下診療報酬点数表と第4条を見比べると明らかに図で示したグレーゾーンが存在する。K514肺悪性腫瘍手術は明らかに重大手術だがK514-2 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術は重大手術かどうか不明だ。この約款と医科診療報酬点数表を見比べた契約者はK514-2(3)の手術はK514の手術よりも医科診療報酬が高いので勝手にK514-2手術は重大手術だと思い込んでしまう可能性が高い。
 アフラック社が新EVERの約款を定めるとき、あるいは約款をそのまま継続使用して保険募集を継続している間に、胸腔鏡を補助的に用いたK514-2 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術があることを当然認知してたはずだ。
 医科診療報酬点数表に掲載されているK514、K514-2手術との整合性が保たれないことを認知しておきながら、独自に「開胸手術」と「胸腔鏡下手術」を曖昧に定義し、約款第4条、42条の記載位置や、その他の保険募集資材を考慮すると意図的に「肺がん手術は重大手術」と消費者に思い込ませる悪質な誤認誘導行為と言わざるを得ない。 明らかに監督指針違反(法令違反)だ。
第42条<その他>
・・・・
(6)悪性新生物に対する開頭、開胸、開腹手術および四股切断術
「悪性新生物に対する開頭、開胸、開腹手術および四股切断術」とは、悪性新生物を直接摘出することを目的とし、器具を用い一定の皮膚切開を伴う手術を意味します。
A 開胸手術とは、胸腔内または縦隔内を直視下に手術する場合で、胸腔鏡・縦隔鏡による場合や穿刺による場合は含みません。
 第42条(6)まで読むとK514-2 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術は開胸手術であるかにも受け取れる。Aを読むと初めて「直視下」とアフラック社独自の定義がされている。「直視」の意味が曖昧なのと補助的に胸腔鏡・縦隔鏡を用いた手術は開胸手術として含まれるのかどうか判然としない。文脈上次の2通りの相反する約款解釈が存在する。
(1)開胸切開し胸腔内を直視したけれども胸腔鏡を用いたので開胸手術と査定されない。
(2)胸腔鏡を用いたけれども開胸切開し胸腔内を直視もしたので開胸手術と査定される。

「胸腔鏡・縦隔鏡による場合」の意味が不明瞭なのだ。一意的に定められない規定であり欠陥ある約款といわざるを得ない。
曖昧な記述のため恣意が入り込む余地が多すぎるのだ。 
 悪性新生物に対する開胸手術に焦点を絞って論じているが、開頭、開腹手術も同様な問題を含んでいると考えられる。(これについては十分には検証していない。)

厚生労働省医療課の肺悪性腫瘍手術に関する開胸手術の定義
厚労省医療課の定義は肺悪性腫瘍手術に関して「開胸手術」とは医科診療報酬点数表のK514およびK514-2と明確に述べられている。
新EVER約款第42条(6)Aの肺悪性腫瘍手術に関する開胸手術の定義
新EVER約款第42条(6)A  
開胸手術とは、胸腔内または縦隔内を直視下に手術する場合で、胸腔鏡・縦隔鏡による場合や穿刺による場合は含みません。 「開胸手術とは、胸腔内または縦隔内を直視下に手術する場合」の記述は図の領域Aと領域Cに相当する。
「胸腔鏡・縦隔鏡による場合や穿刺による場合」の記述は図の領域Cと領域Bに相当する。
開胸手術と胸腔鏡下手術との論理積Cの領域が存在するのだ。約款では領域Cに関する明確な説明が無い。強いて述べるならば開胸手術の定義で述べられている「直視下」という情緒的な表現が領域Cを示唆していると考えられる。
論理学的にも約款第42条(6)Aは明らかに以下の2つの解釈が存在する。
 
(1)開胸切開し胸腔内を直視したけれども胸腔鏡を用いたので開胸手術と査定されない。
 
(2)胸腔鏡を用いたけれども開胸切開し胸腔内を直視もしたので開胸手術と査定される。
 

条文が一意に解釈できないということは約款の不備と言わざるを得ない。
医科診療報酬点数表は改定が繰り返されているらしいが、少なくとも2011年以降は肺悪性腫瘍手術に関してはK514とK514-2だけである。K514-2は医療現場では完全VATSと呼ばれる左図では領域Bに相当する手術と私が2011年に受けた胸腔鏡を補助的に用いた手術(図では領域Cに相当)がある。アフラック社は急速な医療技術の進化(変化)に対応した約款改定の努力を十分に行ってこなかったためこのような問題が放置されたままになっている。
 
 
約款解釈問題(対アフラック、生保協会、金融庁)   より分かりやすいアフラック新Everの曖昧な7約款記述解説